このテキストは軽い大人向けな描写を含みます。
18歳未満の方や、そういう描写は好まない方は
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それ以外は狂気の沙汰
(フランツ・グリルバルツァー『接吻』より)
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早朝に宣言した通り、陽が傾き始める前に正守は戻ってきた。仕事を受けたときには夕飯に間に合うかどうかと言う話だったが、それもどこへやら。
戻ってきた正守は風呂に入り、軽く食事を取った後、
「俺、寝るから」
とだけ言って、自室に籠もったのである。しかしその言葉に刃鳥は少しだけホッとした。何せ、出がけに正守が残した言葉が、一日中彼女を悩ませていたからであった。別に正守と身体を重ねることを厭う訳ではないが、以前彼が今夜は寝かさないよと言ったその夜、言葉通り寝かせてはもらえず、翌日は一日中眠気に襲われた上に、だるい身体を引きずる羽目となったからである。
仕事を終えた刃鳥は湯浴みをし、今夜は落ち着いて寝られると明るい気分で部屋に戻った。
だが襖を開けた瞬間、刃鳥は膝から崩れ落ちた。何故なら部屋の真ん中に敷いてないはずの布団が敷かれ、その上には正守がどっかりと座っていたからである。ご機嫌な顔で……
「遅いよ、刃鳥。待ちくたびれて寝てしまいそうだった」
「頭領、お休みになったのではありませんでしたか?」
刃鳥は何とか気を取り直して、正守に問いただした。
「だから仮眠を取った。約束したからね、刃鳥とは」
ご機嫌な正守とは裏腹に刃鳥はめまいがした。この部屋にいては危険だと察知した刃鳥はスックと立ち上がって、元来た道を戻ろうとしたが、
「結!」
すぐさま張られた結界によって、軟禁状態にされてしまったのである。こうなれば刃鳥にはどうにも出来ず、正守の独壇場となる。観念した刃鳥は正守の正面に正座した。
正守は刃鳥の手を取り、
「今夜は刃鳥を抱きたい。お前が欲しい」
そう言って刃鳥を引き寄せ、彼女の首筋に唇を落とした。そしてもう一度同じ言葉を耳元でささやく。正守の低く甘い声に刃鳥の身体も反応する。彼女自身、どうすることも出来ないほど高揚していった。
「優しくして下さい」
刃鳥にはそれを言うのが精一杯だった。正守は微笑んでから刃鳥の唇を優しく、しかし緩急をつけて吸う。刃鳥もそれに答えるように唇を薄く開き、正守を迎え入れた。
少しずつ正守の唇が下に移動していく。それと共に刃鳥が身に着けていた浴衣は緩められて、裸体が露わになっていく。
彼女の豊かで丸みを帯びた胸にも唇が這い、もう片方の胸は大きな手によって揉みしだかれた。
「あ……あっ、強くしない……でっ」
必死に訴えるが、正守の唇と指が彼女の身体をまさぐり、更に下へと進むに連れて、刃鳥の声は次第に艶を増していった。
彼の唇は柔らかくすべらかな腹部を通り、太股の内側に辿り着く。その時指は彼女の芯を捉えていた。彼の指にはとろりとした液体の感触があり、
「もう充分みたいだけど、さっき逃げようとしたからまだダメだよ」
そう言って彼女の中に指を沈めると、刃鳥は膝を閉じようとしたが正守の身体が邪魔でそれも出来なかった。正守の指が動くたびに淫靡な水音が立ち、刃鳥の嬌声が響く。
「い……や。頭りょ……、お願いですから……やめっ、あっ」
正守の指から逃れようと刃鳥は腰を引くが、すぐに深く指を沈められてしまい、結局官能の波に呑まれていくだけ。
刃鳥は観念してその波に身を任せようとした時に、スッと指が引き抜かれた。
「やっ、ダメッ」
思わず刃鳥は声を挙げた。すると正守はニヤリと笑い、
「何が、ダメなの? 指じゃ、もの足りない?」
意地悪さを含んだ声で刃鳥に問うと、彼女は顔を更に赤くして目を逸らし、懇願した。
「貴方が……欲しい、です」
身をよじり恥じらう刃鳥の愛らしさに、正守の心の黒い部分が、
――まだだ――
と合図する。
刃鳥の願いを無視して彼女の両足を押し開き、その間に顔を埋めた。正守の息が彼女の敏感な場所にかかり、刃鳥は甘い吐息を漏らす。
「頭領……もうこれ以上、焦らさないで下さい」
目に涙をにじませて更に懇願する刃鳥に、正守は自身のいきり立ったモノを暴走させてしまいそうになったが、呼吸を整えて落ち着かせ、ゆっくりと唇で刃鳥の芯を捉え、舌で彼女の流した蜜を舐めとった。
夜はまだ始まったばかり。
お…終わったorz
掌で終わりにするつもりだったのですが、それを書いてる最中に「これって続きあるよな」と思ったら、この話の最後数行が頭にポーンと浮かんできてしまったので書いた次第です。
エロ、難しい。文章がエロくない上に前戯で終わってる…orz
一テーマにつき1KBぐらいのつもりで書き始めたのに、トータルで19KBになってました。だんだん長くなっていったからなんですがね。
難しかったですが、辞書を片手に頑張りました。またいいお題を見つけたらチャレンジしてみたいと思います。
081107