ある居酒屋の片隅。
「ほら、見てみろよ。九番隊の副官証だぜ」 修兵は机の上に、先ほど東仙隊長より渡された副官証を置いた。 向かいの席には……誰もいない。
ぐい飲みに手酌で酒を注ぐ。そしてもう一つ。 「俺、副隊長になっちまったぞ。お前がいたら……なぁ」
彼は彼女と約束をしていた。 彼女も護廷十三隊に入隊し、彼が上位席官になったら一緒になろうと。 しかし彼女は霊術院を卒業することなく、彼の目の前で命を奪われてしまった。
「今日は一緒に祝ってくれよ、蟹沢」 そう言ってグイと酒をあおった。