「チョコちょこっと」 夏梨がチョコレートをくれた。ナッツやらドライフルーツやらが入っている。 一つ口に運んでみた。ビターらしく、ほろ苦い味が広がった。 「どうだ? 美味いか? それすっげー高かったんだぞ」 「ああ」 俺としては5円チョコでも、夏梨がくれるならなんだっていいんだが。 そう思いながら、袋の口を閉じていたリボンを夏梨の髪に付けてやった。 「おっさん、何すんだよっ」 リボンに手をやりながら頬を染めている。 可愛い。そう思いながらもう一つチョコレートを口に運んだ。